なかなか思うように記録が出ない水泳教室…コーチに相談すると全裸での水泳を勧められて…

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なかなか思うように記録が出ない水泳教室…コーチに相談すると全裸での水泳を勧められて… (ページ 1)

「もう一度50メートル測ってみましょうか!」

「はい。お願いします!」

恵美は、学生の頃に得意だった、水泳教室に通いだして1カ月。

仕事のストレスが吹き飛ぶし、泳ぐことが楽しくて、記録をどんどん伸ばしてきた。

コーチの亮は恵美より5つ年上。

真面目に取り組む恵美のことを感心して、水泳教室の時間が終わってもたまに練習に付き合ってくれていた。

「恵美さん、また記録伸びましたよ!」

自分のことのように喜ぶ亮の笑顔が眩しい。

「ホントですか?やったー!」

恵美が記録を伸ばし続けているのにも理由がある。

記録を伸ばし続けていれば、亮に気にかけてもらえるからだ。

短髪、黒髪がさわやかで、いかにも真面目そうな亮は教室でも人気があるのだが、水泳バカというか、泳ぐこと以外興味がないようで、水泳の話しかしてくれない。

それでも恵美の記録には興味があるようで、少しづつ素顔を見せてくれていた。

「今日はこの辺にしておきましょうか、次はもっといい記録が出ると思いますよ」

アドバイスを受け、その日は家に帰った。

次の水泳教室の朝、仕事でミスがあり、上司からネチネチと叱られた。

そんなことがあったからか、楽しみにしていたはずの水泳教室で、思ったような泳ぎができなかった。

「余計なこと、考えてたからかな…」

恵美は悔しくなって、延長を申し込む。

そんな恵美を見かねて、亮も付き合ってくれることになった。

「それじゃ、もう1回泳いでみてください」

その日はめずらしく、延長をする人が恵美の他には一人もおらず、閉館まで、亮と二人きりだった。

そんな嬉しいはずの状況も見えなくなるくらい、恵美は落ち込んでいた。

「まだ身体が固いようですね、すこし休憩しますか?」

「いえ、泳がせてください!」

恵美は必死に亮に頼み込んだ。

「恵美さん、気持ちはわかりますが、同じことをしても変わりませんよ」

「…」

黙ってしまった恵美に、亮は少し戸惑いながらも、

「恵美さん、提案があります。その…嫌なら嫌だと言ってください」

「なんでしょうか?」

亮は、不思議そうな恵美の目線から目を逸らし、

「試しに、水着を脱いで泳いでみませんか?」

「え…?」

顔をしかめた恵美に、亮はすかさずフォローする。

「変な意味ではありません!僕もよくスランプになるんですが、そういう時って余計なことを考えているときが多いんです」

「一度、全部取っ払って泳ぐと、本当に気持ちがいいんですよ!」

なるほど、確かに朝の失敗を引きずっている今のままじゃ、よくなるとは思えないし…。

恵美は少し考え、

「…わかりました、ちょっとやってみます…」

と、水着を脱ごうとして気が付く。

え、水着を脱ぐってことは…全裸、だよね…。

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