せっかくの金曜日に残業って最悪。でも、憧れの先輩とお近付きになれるなら話は別!?

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せっかくの金曜日に残業って最悪。でも、憧れの先輩とお近付きになれるなら話は別!? (ページ 1)

金曜日の夜、21時。今日も残業。

デスクに広がる書類の束を眺め、溜息をつく。

事務所にいるのはもう私だけ。

こうなるのは仕事が遅いからだ。仕方がない。

報告書を一枚仕上げないといけないけれど、今日はもう帰ろう。

「まだ誰かいる?――あれ?サイカちゃん?」

「え、あ、増田さん。もう帰ろうとしてるところです!」

不意に顔を出したのは、隣の部署の増田さん。

私よりも何年か先輩で、優しくて仕事のできる、憧れの人。

すっかり気落ちしていた私は、突然の出来事に舞い上がってしまった。

噂は聞いたことがある。

何人もやり捨てしたとか、何人も彼女やセフレがいるとか。

そんな噂が立つのは、この人が素敵で、モテるからだ。

もしかしたら、噂は本当かもしれない。

期待と、不安と。

私の心臓は高鳴っていた。

「こんな時間まで残業してたの?大変だったね。あーあ、こんなに凝っちゃって」

他には誰もいない。憧れの先輩と、ふたりきり。

その増田さんがゆっくりと近づいてくる。

私の肩に手を置いて労ってくれる。

(たまには残業もいいことがあるんだな)

肩に乗せられた手がゆっくりと動いて、揉んでくれる。

強く揉んでいるわけでもないのに、すっかり凝り固まった筋肉が、解されていく。

何よりもこうして触れ合えることが嬉しくて、でも顔が赤いことには気付かれたくなくて、俯いてしまう。

「サイカちゃんて肩凝りやすいの?胸が大きいからじゃない?」

「えっと、あ、あの、……増田さんっ……!」

こんなこと、他の人に言われたのなら、間違いなくセクハラだ。

肩を揉まれることも、その手が指圧の振りをして二の腕を撫で、なんとなく胸の膨らみに触れてくることも。

噂はやっぱり、本当だった。

そしてその対象になったことが、嬉しかった。

余計な電気の消えた、薄暗いオフィス。

私が拒まないのをいいことに、増田さんの手はゆっくりと胸を包み込んでくる。

俯いた視線の先で、男の節くれた指が、シャツのボタンを外している。

薄い水色のブラジャーが覗き、見え隠れる。

(こんなところで……止めなきゃ)

そう思いはするけれど、身体が動かなかった。

期待の方が大きいのだ。いろんな女の子からいろんな意味で注目されてる人が、今は私だけを見ている。

「ほらね、やっぱり。サイカちゃん、前からスタイルいいなと思ってたんだ。胸のサイズはどのくらいあるの?」

「……えっと」

「Fカップくらいかな。こんなに重たい」

「G……です」

「へえ……見せて」

プレイボーイは、気持ち良いほど素直に、欲求を口にする。

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