いくら月日が経とうと忘れられないイケない想い

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いくら月日が経とうと忘れられないイケない想い (ページ 1)

3月いっぱいで別の支店に異動になる先輩の後任の名前を聞いて、亜美は愕然とした。

その人の名前は、大翔。

ちょうど10年前、別の支店にいた時の隣の部署の先輩。それだけの関係だった。

けれどある日の飲み会で、大翔と帰りが一緒になり、人気のない道で唇を奪われ、その夜そのままセックスをした。

その日以来、二人は予定が合えばセックスをした。

亜美は最初は躊躇っていたが、拒否すれば大翔との職場での関係が悪くなる気がして断れなかった。

そして次第に亜美も大翔の事を好きになっていた。

しかし亜美は大翔と恋人になるつもりはさらさらなかった。それは、大翔が妻子ある立場だったから。

一年近く続いたその関係は、大翔が別の支店に異動になって終わった。

亜美も数年後同じ支店の男性と結婚した。

もう、大翔には会うこともないと亜美は思っていた。

大翔が赴任する日の朝、亜美は心に決めた。

過去の関係はすべてなかった事にする。

できるだけ顔を合わせないようにする。

そして…二人きりにはならない。

きっと大翔もそれを望んでいるはずだ。

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