恋人に振られた彼女を慰めていたら、転んだ彼女の脚の間に身体が入り込んで

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恋人に振られた彼女を慰めていたら、転んだ彼女の脚の間に身体が入り込んで (ページ 1)

「……振られちゃったんです」

朝、ばらの棘で傷ついた指が痛かった。

九時に開店する駅前の花屋でバイトしてすでに二年、さまざまな人に花束を作ってきたが、夕方にやってきた常連の女性は本当に幸せそうな顔で、今日は彼氏と三年目の記念日だと笑っていた。

そして日付が変わった直後、俺が百合さんと呼んでいた彼女は美しい花束を抱きながら店頭に立って、とても小さな声でぽつりとこぼした。

「だから、……花束、お返しします。お花、可哀想だから」

すでに閉店の時間になっていたこともあり、俺は慌てて店を閉めて入り口に鍵を掛け、店内が見えないようにロールカーテンを下ろす。

その間、パイプ椅子に座って泣いていた彼女の顔は涙でぐしゃぐしゃで、俺はすっかり困り果ててしまった。

熱いコーヒーを淹れて彼女の近くに置き、俺はテーブルの上に乗せられた花束を覗き込んだ。

百合とばら、それにかすみ草とガーベラが使われていて、我ながら上手に作ってある。

「気持ちはわかりますけど、本当にいいんですか?あなたに買ってもらって、この花、とても嬉しそうでしたよ」

「いいん、です。……えっと」

百合さんの視線がさ迷って、俺はエプロンについている名札を見せた。

「滝本です」

「その、滝本、さん。……その花、百合ですけど、彼氏が好きだと思っていたら、……彼氏の婚約者が好きな花だって、いわれて、……もう、家に置け、なくて。でも捨てるの可哀想、だから」

彼女はとても気持ちの優しい人なんだろう。

花が可哀想だと泣く彼女の涙を見つめて、俺は胸の奥が温かくなるのを感じながらも、こんなにいい人を振った男が腹立たしくて仕方がなかった。

「……わかりました。ではこの花束、俺がもらいますね。家、帰れますか?」

「はい」

花束を引き取ったことで気持ちが軽くなったらしい。

うなずいた彼女は手の平で涙を拭い、はっと大きく息を吐き、立ち上がる。

ちょっと勢いがいいなと思っていたら、肩に提げていたバッグがテーブルにぶちあたり、コーヒーのカップが傾いた。

「あぁ、すみません!」

「待って、熱いですか――」

「熱い!」

カップを押さえた百合さんが悲鳴を上げ、拍子にパイプ椅子の脚に靴のヒールが引っ掛かったらしく、ぐらっと姿勢を崩した。

彼女が掴んだのは支えようと伸ばした俺の腕ではなくエプロンで、首に体重が掛かり、俺たちはなすすべもなく床に座り込んだ。

「……――」

幸いなことにどこも痛みはなく、鼻先を百合とばら、それとかすかに柑橘系の優しい香りが掠めて、俺は動きを止めた。

最後の香りはきっと彼女の香水だろう。

百合さんの趣味のよさにふっと笑った時、こちらを真っ赤になって見つめている彼女に気が付いた。

彼女のスカートが大きくめくれ上がり、なめらかな太ももを俺の手が掴んでる。

「!」

慌てて手を持ち上げるも、俺の脚が膝を折って座り込んだ彼女の脚の間にすっぽりと入っていた。

太ももに押しつけられた彼女の臀部は柔らかく、手に残ったなめらかな感触に心臓の鼓動が跳ね上がる。

真っ赤になった百合さんが立ち上がろうと藻掻くが、背中にパイプ椅子の座面が当たってしまっているのか、ガタガタと音が鳴ってますます彼女の下肢が太ももに押しつけられ、スカートがずり上がった。

「……なんで、もう」

「すみま、せん」

また泣きそうになった百合さんの下着は、綺麗なピンクだった。

急いで視線を逸らしても、藻掻く度に彼女の股間が脚に擦れて、心臓がうるさいほどに悲鳴を上げた。

俺が脚を引けばいいのはわかっているが、彼女が上に乗っているのでなかなか動けない。

「……――」

互いに動けず、彼女が急に動くのを止めて、こちらをじっと見た。

目もとが赤い。

化粧は涙でずいぶんと流れていたが、それでも可愛い人だった。

ふと変じた視線に気が付いて見返すと、彼女は不意に照れながらも笑い出し、滝本さん、と俺の名を呼ぶ。

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