感じたことのない快感に戸惑いながらも大きな手が優しく撫でるから―バーで知らされる自分の魅力 (ページ 2)
答えなきゃ…。
そう思うものの、恥ずかしさでいっぱいになった私は、隠すように顔を俯かせた。
「…ドキドキさせるような魅力…です。…色気とか…。」
やっとで口にしたのは、消え入るような小さな声だった。
それでも、私の鼓動は痛いぐらいに早くて、熱が顔に集まるのを感じる。
「夢中になってもらえるぐらいの…ドキドキさせられる女性になりたいんです…。」
酔ってるんだ、私…。
アルコールのせいだとはいえ、こんな事誠さんに話すなんて。
ギュッと目を閉じ、自分の鼓動を落ち着かせようと小さく深呼吸をした。
「…ほんと、困った子だ。」
ガタッと椅子が動く音がして、反射的に顔を上げると、先程まで隣で座っていた誠さんが立っていた。
スッと手を伸ばし、私の腕を引く。
「?誠さん?!」
力に誘導されるまま、ついた先は誠さんの腕の中。
突然の出来事に、理解できないまま固まる私にその声は優しく呟いた。
「聞こえる?」
「!?」
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