スマホを見ちゃった罰に年下彼氏が出したイジワルな条件

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スマホを見ちゃった罰に年下彼氏が出したイジワルな条件 (ページ 1)

本当にちょっとした出来心だった。

「ミサさん、何してるの?」

 いつもより低い声が背後から聞こえて肩を震わせた。マズイと思いながらも、中腰のままそろりと振り向くと同棲している4つ年下の彼氏が仁王立ちでムッとしている。

「コウ、帰ってたんだー……」

「帰ってたんだーじゃないよ」

「み、みてた?」

「うん。スマホ勝手に見たでしょ」

「ごめん」

 私は観念して頭を下げる。

「なんで、見たの? というか、暗証番号なんで知ってんの?」

「出来心です……暗証番号は前に盗み見ちゃったのを覚えてました」

 普段は年上の私が怒ることが多いのに、今は完全に立場が逆転していた。仁王立ちのまま腕を組む彼に許しを請うように膝をついたまま見つめた。

 彼は何も言わずにネクタイを外す。ジャケットを脱ごうとしたので、私は立ちあがりそれを受け取ろうとしたが、するりとかわされてしまう。

 コウはジャケットを脱ぎ捨てると、ソファへどかっと腰かけた。

「コウ。もう絶対しないから、ゆる――わっ」

 許して、と声になる前に手を思いきり引かれて彼の上に覆いかぶさるようになった。

「お願いがあるんだけど。それ聞いてくれたら許す」

「聞くっ、聞きます」

 と反射的に答える。これ以上険悪な雰囲気になるのは嫌だ。

「じゃぁ、朝まで俺の好きなようにミサさんのこと抱きつぶすね」

「なっ――」

 いきなり唇を吸われ、舌を押し込まれる。それは私に聞き返す隙を与えないようにするための、荒々しいキス。

「んっふっ……まっ――」

 あまりの激しさに身を引こうとしたが、コウに逃すまいと腕をつかまれ、もう一方の手で頭を押さえられる。

「んむっ……ふぅ……ぷはっ……はぁはぁ」

 しばらくしてやっと唇が離れるとつぅーっと銀色の糸が引いていた。コウは大きく上下している私の肩を押して、体を離したかと思うと、今度は私を下にしてソファに寝かせた。見上げた彼の顔はいつもの優しい年下の彼ではない。

「ど、どうしたの?」

 明かに雰囲気が違う彼に少しの恐怖を抱きながらも、私はドキドキしてしまっていた。

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