窓からやってきた夫が匿ってくれと言って隠れたのはドレススカートの中で―!? (ページ 6)
カーテンに顔を埋めたまま、怒る気にもなれなかった。
その顔を見られたことが、嬉しかったから。
「いっぱい出たね。エッチな汁」
肩越しに触れるだけの口付け。
それだけで頬が緩んでしまう。
「旦那様ったら…お顔が濡れてますよ」
「だって、マリアが潮まで吹くから」
その言葉に、我に返った。
ひょっとして今の、何かが吹き出したような感覚は…。
「し、失礼しました!すぐに拭かないと」
「そんなの後でいいよ」
「ですが」
「もう、我慢できない」
体の向きを変えられて、壁に背中を押し付けられる。
逸らすことなど許さないというような視線に、絡め取られる。
明るい場所で初めて見る、夜の寝室でしか見ることのなかった表情。
近付く顔を、唇を、拒むことなんて…。
―――コンコン
「奥様、よろしいですか」
ノック音と、先程の執事の声。
二人で固まった。
コメント (0)