今夜は深窓の令嬢と執事。男女の夜の営みについて少しずつ教えられていたお嬢様は、この夜最後まで指導されることに……。

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今夜は深窓の令嬢と執事。男女の夜の営みについて少しずつ教えられていたお嬢様は、この夜最後まで指導されることに……。 (ページ 1)

世間の恋人同士の情事がどういったものかなんて知らないけれど……と、頼子は思う。

 彼女は、清楚でエレガントなワンピースを着て椅子に座っている。そして目の前には、スーツ姿の充晴が膝を着き頼子の素足に唇を落としていた。

 『深窓の令嬢と執事』という設定だ。

 前回は猫耳娘と動物園の飼育員、その前は女サンタクロースとアウトロー、さらに前は先生と生徒……。

 充晴はそういった架空の関係を決めた上でのセックスを好む人だった。

 彼のその傾向を知った時、頼子は戸惑い少し気味の悪ささえ覚えたが、やってみたら案外楽しかったのだ。最初が『長期出張から帰ってきた夫とその妻』という設定だったからかもしれないが、とりあえず新しい扉を開けてしまったことは間違いないだろう。

 お嬢様、とささやいた充晴の唇がススス……と膝まで上がっていく。

 頼子の背筋にゾクゾクするような感覚が駆け上った。

「充晴、今夜はどこまで教えてくれるの……?」

 セリフはすべて即興だ。

「お嬢様のお心のままに」

 スカートは脚の付け根までまくり上げられ、頼子の白い太ももを充晴の指先がすぅっと撫でた。

 きれいなワンピースのせいか、それとも充晴がスーツを着ているせいか、背徳感のある眺めだった。

 くすぐったかったのか感じてしまったのか、頼子は小さく息を飲んだ。

「今夜は、最後まで教えて……」

 壊れ物に触れるように太ももを撫でる充晴の手に自身の手を重ねて、頼子は言った。

 すると、ふわりと抱き上げられた。突然のことに思わず充晴にしがみつく。

 運ばれた先はベッドだ。

 そっと下ろされて充晴を見上げると、いつもと違う顔をした彼がいた。身がすくむような何かに頼子は体を起こして距離を取ろうとしたが、あっという間に両腕を押さえつけられてしまった。

「一度口にされたことは、取り消しはできませんので」

 何か言おうとした頼子の唇は、言葉ごと充晴に封じられた。

 唇を甘噛みされるようなキスに、頼子はたちまち頭がぼぅっとなっていった。先ほど感じた身がすくむような感じは消え去り、充晴のぬくもりに身体が芯から溶かされていく。

「……は、ん……んぅ」

 キスの合間からこぼれる吐息は、自分でも驚くほど甘ったるい。

 わずかに開いた隙間から、充晴の舌が侵入してくる。口内を探られ、舌を絡め取られ、頼子は身体中の血液が沸騰したようにドキドキして、気が付けば口を大きく開けて夢中で応えていた。

 充晴に押さえられていた両腕はとうの昔に解放されている。彼の手は今、頼子のワンピースを脱がすことに集中していた。

 ちゅっ、と軽く唇吸われて濃厚なキスが終わった頼子は、すっかり頭がくらくらしていて自分が何をされているのか把握できていない。

 乱れた呼吸の隙間に充晴の名を呼ぶと、返事の代わりに首筋をきつく吸われた。

「ん……っ」

「この前のおさらいをしましょう」

 そう言いながら充晴がネクタイをゆるめる頃には、頼子のフロントホックのブラジャーは外されていた。

 二つの乳房の真ん中に唇を落とされる。彼の唇が素肌を這う様を見てしまった頼子はたまらなく恥ずかしくなったが、なぜか目をそらすことができない。

 そして片方の乳房が充晴の手によってやわやわと形を変えられたり、もう片方の胸の先端を吸われたりするのを、食い入るように見つめていた。

「は、んぅ……はぁ……」

 敏感になった胸の先端をいじられるたびに、快感にゾクゾクと身体が震える。身をよじりたくても充晴が乗っているためにかなわず、熱い吐息をこぼすだけだった。あまりの気持ち良さに、頼子の視界がにじんだ。

 全身を駆け巡る快感は、特に下腹部に集中していた。何かを求めるように切なくうずいて仕方がない。

 もじもじと腰を動かしていると、左右の乳首を強めにつままれた。

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