作家の先生と私、二人だけしか知らない秘密の甘い時間

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作家の先生と私、二人だけしか知らない秘密の甘い時間 (ページ 1)

マンションのドアを開けると、わたしは思わぬ人の姿を見つけて声を上げた。

「美桜さん、おはよう」

「先生! どうしたんですか? しばらく部屋から出ないって言ってたのに」

 玄関に立っていたのは、和真さん。わたしの雇い主であり、今をときめく若手の売れっ子小説家だ。

 わたしはお手伝いさんとして、彼に雇われている。

「今日は誰もいないから、先生呼びしなくていいよ」

 声に疲れが滲んで、身体からも生気が消えてる。

 先生──和真さんは、今月いっぱいの締め切りを抱えてるとかで、ずっと書斎にこもりきりになっていたのだ。わたしは、家事と、ちょっとした事務仕事を任されているのだが、この一ヶ月ほど、和真さんの顔をほとんど見ていない。

 料理は冷蔵庫に作り置きして、来たときと帰るときに部屋に向かって声をかけるぐらいだ。

「書いている小説が、行き詰まってしまっててね」

 和真さんは広々としたリビングに戻ると、ソファに深々と腰を下ろした。背もたれに身体を預けて、天井を見上げる。朝日がさんさんと高い窓から差し込んでいた。

 朝日の中で久しぶりに会う和真さんは、顔色があまりよくない。

「ヒロイン像が上手くつかめないんだ」

 和真さんは深々とため息を吐く。わたしは心配になってきた。

 どうしたら元気になってもらえるだろう。

「大丈夫ですか? 今、朝ごはん温めますね」

 わたしはそう言うと冷蔵庫を開けた。中を見て、えっと声を漏らす。

 昨日の晩ごはんとお夜食がまるまる残っている。

「晩ごはん、食べなかったんですか?」

「食べる気になれなくて。でも、せっかく美桜さんが作ってくれた料理を捨てるのはもったいないから、冷蔵庫に入れておいたんだけど」

「とにかく、まず朝ごはん食べましょう。食べなきゃ、元気は出ませんよ」

 わたしは励ますように言うと、料理を取り出そうとした。突然、背後から抱きしめられる。

「か……和真さん?」

 背中に押しつけられた体温。腰に回された手のひらの感覚が、わたしの身体を一瞬で熱くした。

「朝ごはん……食べないと……」

「先に美桜さんを食べさせて」

「えっ」

 ──そう、和真さんとわたしはそういう関係。

 でも、人気作家である和真さんの周りには、素敵な女性がたくさんいる。わたしは単なるお手伝いさんで、和真さんのお仕事の役には立てない。

 こういう関係になったのも、多分和真さんにとってたまたまいつもそばにいたのがわたしだからだ。

 それでも、わたしは和真さんが好きで……。だからついつい求められると応えてしまう。

「あっ、美桜さん、これ、身につけてくれてたんだ」

「やっ」

 ジーンズの前を外され、膝まで引き下ろされた。わたしはびっくりして冷蔵庫の扉から手を離す。

 和真さんの長い人差し指が、細いラインのランジェリーを引っかける。和真さんから貰った、黒の総レースのセクシーなTバック。

 指はレースの上を這う。ぞくぞくとした感触が身体に広がって、クロッチの部分がじんわりと期待に濡れていく。

 和真さんの長い指はエロいのだ。あの指が自分に触れてるだけでドキドキしてしまう。

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