二人の時間を邪魔された彼が、私の中にローターを仕込んで

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二人の時間を邪魔された彼が、私の中にローターを仕込んで (ページ 1)

カチャカチャと規則正しく響くタイプ音。

タイムリミットまであと少ししかない。早くしないとだめなのに。

不意に下半身に力が入ると、反発するように中の玩具がゆるりと動く。

奪い取られた下着の役割を薄い部屋着のワンピースでは担う事などできず、ニュルニュルとした感触が肌を刺激する。

あと10分…。

カタカタとタイプを打つ速度をあげた。

「優美ちゃん」

慧くんが私の太腿の上で、こちらを見上げながら手を伸ばす。

その手が私の頬に添えられ、誘うような目つきに変わる。

私は、慧くんのパーマがかかった柔らかな栗色の髪を触りながら、身を屈めてキスを落とす。

ちゅっと音を立てて唇を離すと、肩から零れ落ちた私の髪の毛に指を絡ませ、足りないと抗議する。

そんな仕草が可愛くて、額にキスを落とす。

離そうとしたら、そのまま長い指先が私の頬を撫で、深く口づける。

私の仕事が忙しくて、やっともぎ取った週末。

久し振りの慧くんとの時間を楽しみにしてきた。

慧くんも機嫌よく、ずっと私の膝枕でゴロゴロしている。

ゆっくりと幸せな時間を噛み締めていると、始業ベルのように現実に戻す携帯の音が部屋に響いた。

画面を見るまでもなく、この音は会社の音で、小さな溜息が思わずこぼれた。

「お疲れ様です。何かありましたか。」

ギアを無理矢理、仕事モードに入れる。

太腿の上にいた慧くんが、ふらりと立ってキッチンの方に行ったので、私もソファを離れ、仕事部屋に足を運ぶ。

「え、…そう、ですか。いや、はい。大丈夫です。間に合わせます。はい。では、失礼します。」

パソコンを起動させながら、大きな溜息が出る。

今日こそ仕事から解放されたと思ったのに…。

先方の要望変更の長いメールが、より溜息を重くさせる。

「仕事?」

声の方を向くと、慧くんが仕事部屋の入り口でマグカップを持って扉に寄りかかっていた。

「ごめん。明日までに仕上げなきゃならなくなって…。少しだけ待っててくれる?」

「んー。しょうがないよね。はい、コーヒー。猫舌用。」

「ありがと…」

差し出されたコーヒーを受け取ろうとしたら、マグカップが避けられた。

「立って。」

訳もわからず、座っていた椅子から立ち上がる。

「はい、これ持って」

渡されたマグカップを握ると、もう片方の手を添えられて両手でマグカップを持たされた。

益々訳がわからず、ぽかんとしていると慧くんの唇が重なり、角度を変えて舌をねじ込んでくる。

その舌が、荒っぽく口内を巡るのでマグカップを持つ手に力が入る。

慧くんの手がするすると私の部屋着のワンピースを捲りあげて、下着に手をかける。

「あ…れ。何、珍しい。」

やっと離してくれた唇が機嫌よく緩む。

捲りあげたワンピースからサイドの紐が垂れ下がった下着がチラリと顔を出した。

「…だって、喜ぶかなと思って…。」

「ちょっと機嫌良くなった。」

やっぱり機嫌を損ねていたのかと改めて確信した。

付き合ってそれなりに経つのに、表情からは何を考えているのか未だに読み取れない時がある。

怒っている時ほど、その傾向が強くなる、という事が分かってきたのは最近だ。

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