恋愛恐怖症を乗り越えて…大好きな人の誕生日に結ばれる幸せH

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恋愛恐怖症を乗り越えて…大好きな人の誕生日に結ばれる幸せH (ページ 1)

その人、聡くんには、先月、友達の紹介で出会った。

「ななこも、いつまでも前の男のこと引きずってないで、次の恋をした方がいいよ!」

二年前、当時の彼氏に二股をかけられ、泥沼の状態で別れて以来、恋をすることを自ら禁じた私。

友達にそう言われた時、本当にお節介だと思ったけれど、いざ会ってみたら、聡くんは、とても素敵な人だった。

背は高くて、手足が長い。

切れ長の目は、いつも穏やかな光を宿していて、薄くて綺麗な形をした唇を、ほんの少し吊り上げて笑うのが、なんだか可愛い。

ただ、映画に行ったり、食事に行ったりしたものの、聡くんは、決して『付き合おうよ』みたいな空気は出してこなかった。

いつも、現地集合、現地解散。

恋なんてしないと決めていた私には気楽な関係だった反面、聡くんにとって、私はただのお友達かなあ、と思うと、少し胸を痛める自分も居た。

そんな聡くんから、メールが届いた。

「今週、土曜日、会えませんか?」

恋かどうから分からないけれど、聡くんに会うのは楽しみだな。

そう思いながら「大丈夫ですよ」と返事をした。

土曜日、聡くんと、いつも通り、穏やかで楽しい時間を過ごした。

映画を見て、カフェでお茶して。

夕方になり、

「良かったら、夕食も一緒に食べよう」と誘われた。

「俺んちでいいかな」

びっくりしたものの、聡くんの家を見てみたい気持ちもあって、ついて行った。

よく片付けられた、1Kのアパート。

「簡単なものしか作れないんだけど」

と申し訳なさそうな顔をしながら、聡くんは、パスタとサラダを出してくれた。

パスタはあっさりとした和風の味付けで、とても美味しかった。

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