ドSスイッチが入った夫の前で「オナニーをしろ」と命令をされて… (ページ1)

「おかえりなさい、拓斗さん」

 結婚をして専業主婦になった私は、玄関で夫を出迎えた。

「ただいま、あやの」

「今日も疲れたよね。お風呂、沸かしてあるから先に入っちゃっていいよ」

 毎日忙しそうにしている年上の夫とは、正直夜の営みを数か月としていない。 
 彼は帰宅すれば夕飯を取り、お風呂を済ませて眠るだけだ。

 こちらから一方的に、したい、と伝えたことはない。
 一生懸命家庭のために働いてくれている彼の大切な睡眠時間を奪いたくない、その一心だ。

「あやの、ちょっといいか?」

 お風呂からあがり、寝室で寝支度をしていると、不意に声をかけられた。

「どうかしたの?」

「久しぶりにエッチしよう。ずっと忙しさにかまけてしてなかったけど、あやの、エッチ好きだろ?」

 思いがけない問いかけに振り返ると、拓斗さんはいつになくいやらしそうに微笑んでいる。

「俺、知ってるんだよ。毎日毎日、俺が眠った後にあやのがオナニーしてること」

 拓斗さんに問い詰められるような言い方をされ、私は微かに体を震わせた。

 否定することもできず、かといって肯定することもできない。
 認めてしまったら最後、私がセックス好きでいやらしい女だということがバレてしまう。

「声を押し殺してるつもりだったかもしれないけど、全部聞こえてたよ。声を我慢して、んっ…んっ――って喘いでた。俺にばれないようにオナニーするのは楽しいか?」

「そんな、別に……私はそんなことしてないよ?」

「素直に言えよ。じゃないと、セックスもしないし。なんなら隠してるつもりだった玩具で、今日も一人でしたらいいんだ」

 彼が視線を向けたのは、私が実際に玩具を隠している場所、クローゼットだ。その中には拓斗さんの言う通り、玩具を入れた一般的な通販サイトの箱がある。
 至って健全な箱だからバレない、気付かれていないだろうと思っていたのに。

「…拓斗さんがその気なら……セックスしたいです」

「素直なあやのが好きだよ。それじゃあ、服を脱いでくれる?」

 拓斗さんは楽しそうな笑みを浮かべていた。
 まるで私を試しているかのような物言いに、少しずつ興奮してしまう。

 私は拓斗さんに言われるがままにワンピースタイプのパジャマを脱いでいく。
 その間も彼から注がれる熱い視線に、体が熱を帯びた。

「次はそうだな、俺の前でオナニーをしろよ。いつもしてるように玩具を使ってもいいし、指でもいい。あやのがひとりエッチしてるとこ、見てーな」

「は……恥ずかしいよ」

「いつも通りしたらいいんだよ。俺のことを意識せず、あやのが気持ちよくなれればいい」

 拓斗さんはそういうと、クローゼットへ歩み寄り玩具が入っている箱を持ってきた。

「ローターにディルドに、バイブ。どれを使いたいんだ?」

 見せびらかすように玩具を手渡してくる拓斗さんを前に、私は言葉を選んでしまう。

 何て言おうとも、彼は止めてくれないだろう。
 私がオナニーをするまで、笑顔を崩さないはずだ。

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