有名な浮名を持つ上司に騙し討ちを仕掛けて終わらせる片想い

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有名な浮名を持つ上司に騙し討ちを仕掛けて終わらせる片想い (ページ 1)

仕事の鬼は、ベッドの中では別人だった。

『あ…っ』

『ここ好き?』

頷くと、ゆっくりと指でほぐしてくれる。

肩を抱いて、キスをしながら、私の中を甘くかき回しては、くすっと笑う。

『気持ちよさそう』

もう、よくわかりません、加賀さん。

とろとろ蕩けて、熱くてぼうっとして、時折意識が飛んで。

彼が入ってきてからは、本当に記憶が曖昧。

ひたすら昇り詰めては堕ちて、たまに下りてこられなくなって怖くて叫んで、抱きしめてもらって。

──翌朝、怒号と共に部屋を追い出された。

「加賀マネージャー、怒りのオーラすごい」

「またアホ部長の尻拭いかね、できる男は損だ」

「この間、また違う女連れてたらしいよ」

「クズだけど、実際かっこいいからしょうがない」

先輩たちのお喋りに、私は分厚い眼鏡の奥で、冷や汗をかいていた。

「真中ちゃんも、今日はあの人に近寄らないほうがいいよ」

「はっ、はい」

「何かきついこと言われたら相談乗るから」

「ありがとうございます、あっ、片づけておきます」

一人になった給湯室で、カップを洗いながら深々と息をついた。

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