初めて訪れた彼氏の部屋で、思わず目を疑ってしまった私。 (ページ1)


初めて足を踏み入れた彼氏の部屋で、私は自分の目を疑った。


「え…カイって、アニメとか好きな人だったの…?」


壁にはポスター、棚にはフィギュア、ベッドには抱き枕。

どこからどう見ても、オタクの部屋。


「うん…引いた?」


半ば涙目で私を見つめるカイは、七歳年下の彼氏。

そこそこイケメンで、性格も優しい。

なのに、彼女がいないなんておかしいとは思っていた。…まさか、こんな理由があったとは。

「引いてはないけど」

不安は感じる。だって、部屋にいる二次元の女の子たちはすごく綺麗でスタイルもいい。

私とは正反対。



「こういう綺麗な人が好きなのに、私と付き合うっておかしくない?」

「おかしくないよ!だって、リコさん、リンにそっくりだし」

「リンって?」

「この人」

カイが一番、大きなポスターを指差した。


私は女の子のイラストをまじまじと見つめた。整った顔立ちとスレンダーな体。

共通点なんて、メガネくらいしかない。

「カイ、とりあえず眼科、行こうか」

「俺、目はいいよ!」

「いやいや。この人と私が似てるって言った時点でおかしいって」

「そんなことない」

さっきまで涙目だったカイが、私を睨むように見た。

「リコさんはリンみたいに賢いし、仕事もできるし、優しいし、綺麗だよ」

不器用な抱擁が私を包んだ。ぎゅっと抱きしめられて、不安が少し解ける。


「あと、リンと一緒でメガネも似合ってる」

「それは、どうも…」

カイの真剣な眼差しに、なんだかドキドキした。


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