間違えて入った貸切温泉で教えこまれる大人の楽しみ

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間違えて入った貸切温泉で教えこまれる大人の楽しみ (ページ 1)

「・・迷った・・かも」

美羽が途方に暮れ、辺りを見回す。

女友達と四人できた温泉旅館。

ご飯の後、酔いを醒まそうと、庭に出たら思ったより奥が深く、完全に方向を見失った。

辺りは暗く、足下の灯りもまばらで乏しい。

やだ・・どっちにいったら、いいの・・?

「・・まさか、迷子とか?」

不意に前方から響いた男性の声に、美羽がビクッと身体を硬直させる。

「・・これはこれは」

タバコを燻らせた30代前半くらいの男が美羽をまじまじと見て、ニヤっと笑う。

「あ・・の・・」

「なかなかの美猫じゃないか」

動揺する美羽に、彼がゆっくりと近づく。

美羽は魅入られたように、動けない。

と、ガヤガヤとした話し声と共に

「・・美羽ー?何処にいるのー?!」

と、彼女を探す声が響いた。

フッ、と緊張感が途切れる。

「・・残念」

彼が苦笑する。

「・・エッ?」

「もう少しだったのに」

彼が美羽の頭をポンポンと叩き、

「次は逃さないから」

といって、踵を返し更に奥へと消えていった。

・・ホッとすると同時に、残念な気がしたような気がするのは何故だろう。

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