「彼氏、どんな顔するかな」誰をも虜にする後輩が抱える嫉妬心の暴走

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「彼氏、どんな顔するかな」誰をも虜にする後輩が抱える嫉妬心の暴走 (ページ 1)

「春花せーんぱいっ」

人懐っこい明るい声が、私を呼ぶ。

学食で、一緒に食事をしていた全員がその声の主を見て、口々に声をあげた。

「あれ、旬くんだよね?」

「あら、本当だ。近くで見てもめっちゃかっこいいーっ。何、春花知り合いなの?」

旬は、入学式の時に新入生代表として挨拶をした。

アイドル然とした可愛い顔と、すらりとした八頭身のスタイル。

そして、センスの良い挨拶文を語りかける姿に、会場の誰もが一瞬にして虜になったという伝説の新入生だ。

「そう。うちのサークルの後輩なんだ――言ってなかったっけ?」

私は口早にそう説明し、慌てて食器を片付けると、にこにこと人畜無害な無邪気な笑顔を浮かべて、手招きしている旬の元へと急いだ。

皆の注目を浴びて恥ずかしくて仕方がないのに、本人は全く気にした様子もない。

それどころか、何時間も留守番させられた後ようやくご主人様に会えた子犬のように嬉しそうな笑顔で私を見ている。

「そんなに急いでやってくるなんて、やっぱり春花先輩も僕のこと好きなんでしょう」

極上の笑顔で囁かれる、甘い言葉。

――だけど、私だけは知っている。この、アイドル然とした彼の『裏の顔』を。

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