酔ってお持ち帰りされそうになってた私を助けてくれた後輩と…

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酔ってお持ち帰りされそうになってた私を助けてくれた後輩と… (ページ 1)

目を覚ますと、見知らぬ天井がそこにあった。

 ここどこだっけ……と記憶をたぐりよせてみる。昨夜は、仕事が終わった後、一人で夜の街に出た。バーで飲んで、隣に座った男と話が盛り上がって、酒をおごってもらっ……。

 やばっ、連れ込まれた?

 わたしは真っ青になって飛び起きた。間接照明の中、隣を見れば、寝ていたのはダブルベッドだったが、誰かが寝た形跡はなかった。あれ? とベッドの上に座り込む。

 どうやら、どこかのシティホテルの一室にわたしはいるようだった。上着は脱がされていたが、ブラウスとスカートは着たままだ。

「あ、可南子さん。目が覚めましたか?」

「滝澤くん……? あなたなんでここに?」

 わたしは頭の痛みに、いてて……とうずくまった。

「大丈夫ですか? これ酔い覚ましのスポーツドリンクです」

 滝澤くんはペットボトルの封を切って、わたしに差し出してくれた。ありがとう、と小声で言うと、中身を一気に飲み干した。

「美味しい」

「良かった。大丈夫そうですね」

 わたしはベッド脇に、人の良さげな笑顔を浮かべて突っ立っている滝澤くんを見る。

 彼は、ちょっと小柄でかわいらしい顔立ちをしてる。入社一年目で仕事はまあまあ。とにかく、気のいいタイプの子だ。

「ねえ、なんでここにいるの? わたしの記憶じゃ、さっきまでバーで一人で飲んでたんだけど。もしかして、あなたわたしをホテルに連れ込ん……」

「ち、違います!」

「じゃ、どういうことよ」

 滝澤くんは、はあ……と大きくため息を吐いた。

「可奈子さん、一服盛られたんですよ。一緒に飲んでた男に」

「あー……」

 やっぱり。たかがカクテル一杯で前後不覚になるなんておかしいと思った。

「ここんとこ、可奈子さんの様子おかしかったじゃないですか。だから今日、後をつけて、同じバーでちょっと離れて飲んでたんですよ。カウンターで隣に座った人と盛り上がってるなと思ったら、いきなり突っ伏したんで、これはヤバイぞって。介抱しようとしてた男から可奈子さんを強引に取り返して来たんです」

「わかった。把握した……。ありがとう、迷惑かけちゃったね」

 うーん、これは思いっきりやらかしてる。滝澤くんがいなかったら、完全にお持ち帰りされて、どっかのホテルでやり捨てられてた。わたしはやっと今になって、怖くなってきた。

「なにかあったんですか? 見知らぬ男の前であんな油断して、しっかり者の可奈子さんらしくない。それに、彼氏さんに知られたらまずいっしょ」

 彼氏。その言葉で殊勝な気持ちになってたわたしは、突然かちんと来た。

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